地図よもやま話
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第17話 歩行者ナビ

水田課長 う〜ん。携帯の場合、やっぱりカーナビと違って自分の位置が分からないのは問題だなあ。
安村主任 でも、無いものねだりをしてもねえ。地図が出るだけましですよ。
水田課長 地図が出るだけなら、ポケット地図帳で十分じゃん。携帯で地図を見ようと思ったら、そうとうゴチャゴチャとキーインしないといけないけど、紙地図ならすっと見れるぞ。
安村主任 それを言っちゃあオシマイよみたいな・・・
水田課長 それに、人間が地図を見るときは、地図の上に自分が分かるものがないと何処なのかさっぱり分からないわけよ。
安村主任 そうですね。人間は2次元の地図上の図形と3次元の実空間のパターンマッチングをして、状況を把握するわけだから、マッチングできる点が最低2点はないと分からないわけですよね。
水田課長 なんで、簡単なことをそんなに難しく言えるんだ?
安村主任 簡単に言うとこないだの課長のように、地図の上に赤坂駅があって現実の赤坂駅が近くに見えても、1箇所だけでは自分の位置が分からないということですよ。
水田課長 そうそう。もう一箇所ファーストフードの店があったから把握できたんだ。
歩行者ナビの場合、北とか南とかの方角の概念より右とか左とかの概念の方が重要な気がする。
中山由美 課長って意外と空間能力あるんじゃないですか?
水田課長 意外は余計だ。
それと、地図にランドマークが載っていても現場ではそれが見えないことが多い。都心では特に看板が多くて、地図上のランドマークの看板が見えないことの方が多くて、そこに行くまで分からない。行っても行ってもランドマークがなくて、はじめて道を間違えたと分かる。
安村主任 やっぱり、携帯での歩行者ナビはかなり辛いものがありますね。
水田課長 それじゃあ、ポケット地図帳に勝てないぞ。ポケット地図はランドマークがたくさん載ってて、探しやすい。なんと言っても人間が作ってるわけだから巧妙にランドマーク同士の重なりを回避している。
中山由美 一方、携帯の方は小さな画面でランドマークの文字が重ならないように、数を制限して出してますよね。
安村主任 そう、それが差になってるんだよな。携帯にはポケット地図にない何かプラスαが必要ですね。
水田課長 プラスαってなんだ?
安村主任 たとえば、携帯にGPSチップを載せるとか。
中山由美 それから、3次元の実空間を認識するには写真が有効ですよ。地図とプラスαとして、そこの写真を組み合わせれば、かなり正しいナビが出来ると思います。
それと、地図を使わないで写真だけで擬似3Dモデルを作って空間認知するような研究を東大の先生がされてましたよ。この方法でも、ナビができるかも。
水田課長 へ〜え。それは面白そうだな。
東大か。オレもとうだいの出身・・・
安村主任 どこの岬の灯台ですか。
水田課長 ううっ。鋭いツッコミ。東大モトクラシー。
中山由美 ネタが古いですよ。
水田課長 ううっ。さらに厳しい追い討ち。ところで、君はどこの出身だったっけ。
中山由美 六波羅短大です。
水田課長 ほほう、その短大はどこにあるんだ?
中山由美 もちろん、京都ですよ。鎌倉時代からある由緒ある短大です。
水田課長 とぼけたヤツめ。じゃあ、君はどこの大学だっけ。
安村主任 僕は、堀口大学の出身です。
水田課長 ほほう、で、その大学はどこにあるんだ?
安村主任 もちろん、山のあなたの空遠くですよ。
水田課長 ・・・・・・・
第18話へつづく  
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