地図よもやま話
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第20話 歩行者ナビと経路検索

中山由美 課長、どうしたんですか暇そうな顔して。
水田課長 あん?
安村主任 そうですよ。なんか手持ち無沙汰のようですね。
水田課長 だっ、だれが手待ちのブタさんだとぉ。失礼な。むかつくやっちゃ。むかつくと言えば、この間、む、む、む、むかつく事があったぞ。
中山由美 ど、ど、ど、どうしたんですか?
水田課長 あるお客さんのところに初めて行くので、事前に某サイトで地図の検索をして、経路検索までやって結果を印刷して万全の準備をしたのさ。
中山由美 そしたら、どうしたのさ。
安村主任 あー、ほいさっさ。
水田課長 お、お、おまえら、おちょくっとるのか?ほいでだな、現地にいったわけさ。で、経路をよく見ると道路の真ん中 に経路の線が引いてある。
安村主任 そりゃそうでしょう。
水田課長 なんで、そりゃそうやねん。歩行者は道の真ん中歩かれへんやんけ。
中山由美 経路検索をするには、道路ネットワークの情報が必要なのですが、今、普及しているのはカーナビとかに使われている1/25000のデジタル道路地図の道路中心線ネットワークですからね。
水田課長 そんなこと、オレの知ったことじゃないが、とにかく道路の真ん中は歩けないから経路に沿って道路の右側を歩いてだな、左に曲がる角の ところに来てふと見ると信号がない!
中山由美 渡れなかったんですか?
水田課長 そう。横断歩道もないし、国道で車がびゅんびゅん通ってて危なくて渡れやしない。
中山由美 で、どうしたんですか。
水田課長 仕方がないから、信号のある交差点まで戻らないといけなかった。 無茶苦茶むかつくで。
安村主任 ハッ、ハッ、ハッ。
水田課長 笑うな!それでだな、戻ってから交差点をわたってその左に曲がる所に行った。で、経路案内では、「○○」の角を左に曲がると書いてあるんだが、左に曲がる道が二つある。
中山由美 はぁ?
水田課長 極端に言うと、進行方向に対して60度と120度という感じで二つの道がある。でも地図には左に曲がる道は一つしかない。どっちに行けばいいんだ!
安村主任 で、どっちに行ったんですか?
水田課長 手前のほうの道を行ってたら、どうも間違ってそうだったんで引き返してもう一つの道を行ったら正解だった。ったく、えらく遠回りをさせられて、おまけに遅刻して、お客さんに地図やってる人が迷っちゃいけませんねと言われてしもうた。
中山由美 怒り心頭ですか。
水田課長 まったくだ。それから、もう一つ。駅からある会社に行くのに、経路検索すると公園の周りをぐるっと回る経路が出て来て、行きはその通りに行ったんだけど、どう見ても公園の中を突き抜けたほうが早くて、帰りはそうした。
安村主任 う〜ん。それも道路ネットワークを使っているからですね。公園内の道路は車は通れないから。
水田課長 だいたい歩行者ナビで道路中心線はないだろう。横断歩道とか歩道橋や地下道はどうしてくれんねん。
中山由美 そういうデータはないんですよね。商業用のデータでは。実験的にはいろいろ作られていますが。
安村主任 最近、ある地図会社が歩行者用のネットワークデータを作ってますね。
中山由美 それが出来れば、歩行者用の経路検索が出来ますよね。
水田課長 ちょっと待った。経路検索なんかしてくれなくても、地図がちゃんと出れば自分で行くがな。
中山由美 でも、こないだは経路検索したんですよね。
水田課長 そう。だから痛い目に会った。出てきた経路は最短経路を求めたんだと思うんだけど、よく地図を見ると最短ではないけど、もっと分かりやすい経路があるんだよ。大きな道を行く経路でちゃんと曲がり角にしっかりしたランドマークもあって。しかも、さっきの最短経路との距離の差はせいぜい10mか20mなんだよな。
中山由美 だったら、その分かりやすい方の道を行ったほうがいいと。
水田課長 そう。だから経路検索なんて大きなお世話だ。地図があれば自分で経路を決める。だいたい、道路を渡るときに信号が赤だったらその次の信号まで歩いたりするよな。でも、経路検索すると渡る信号も決められて、赤でも待つというのはナンセンスだろう。
安村主任 課長の人生、信号任せですか。
水田課長 なんで人生まで話が飛ぶんだ。それに歩行者の場合、さっきも言ったように地下街とか歩道橋とかあって、本当にきちんとナビゲーションしようとしたら、そういうのにも対応しないといかん。
安村主任 データ作る人、大変そう。
中山由美 大変だから今までなかったんですよね。でも、こういう時代になっていよいよ歩行者ナビが出来る環境になってきて、データがないのが露見しているといったところですね。
水田課長 そう。時代の動きは速い。
安村主任 速いといえば、今年もあと少しになってきましたね。
中山由美 そうですね。速いですよね。
水田課長 昔、ある所に坊さんが二人いました。
中山由美 はぁ?
安村主任 (ひそひそ)お正月が近いから、坊さんが二人で和尚がツーという駄洒落をいうつもりだよ、きっと。
中山由美 (ひそひそ)それ、古いですよね。
水田課長 で、その二人は独身だったので彼女がほしかった。
中山由美 あ、違う展開。
安村主任 色気の多い坊さんですね。
水田課長 それで、ねるとんパーティーに出まくったが、ちっとも彼女が出来ない。
中山由美 かわいそうに。
水田課長 で、あまりにフラれてばかりなので、ねるとんに出るのがだんだん苦痛になって、もういい!...となった。
中山由美 それで?
水田課長 もういい!苦痛ねるとん、和尚がツー。
中山由美 はぁ?
安村主任 (ひそひそ)お正月の歌だよ。まあ、課長にしては上出来ですね。(ひそひそ)つまんないけど。
水田課長 課長にしてはとは、どういうことやねん。さっき一生懸命考えたのに。
安村主任 暇そうに見えたのは、実は考えてたんですか。見えないなあ・・・
水田課長 むかつくやっちゃ!
中山由美 まあまあ、怒らずに心穏やかに新年を迎えましょう。このよもやま話も今年はこれが最後、全国の隠れファンの皆様ありがとうございました。
水田課長 いるのかよ、そんな人。
中山由美 清水さん、高山さん、高尾さん、ご声援ありがとうございました。
水田課長 たった3人かよ。
中山由美 この3人は隠れていないファンです。隠れファンはもっと・・・・
安村主任 会社で仕事中にこれを読んでて、ニヤニヤして周りから不気味に思われている人もいるそうな。
中山由美 来年もまた、ニヤニヤしてくださいね。よいお年を!
第21話へつづく  
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