地図よもやま話
第27話 ユビキタス?
| だんだん寒くなってきたな。こういう寒いときは鍋か炊き込みご飯にかぎるな。 | |
| 鍋はともかくとして、炊き込みご飯ですかぁ? | |
| 炊きたての炊き込みご飯を、フーフーしながら食べるっていいじゃないか。今日も妻に晩メシは炊き込みご飯とリクエストしたんだ。ところがだ・・・ | |
| どうしたんですか?奥様に断られたのですか? | |
| いや、妻はOKなんだけど、電車の車掌がなあ・・・ | |
| どうして電車の車掌さんが出てくるんですか? | |
| 車内アナウンスで炊き込みご飯はおやめくださいって言うんだ。 | |
| そんなこと言うわけないじゃないですか。 | |
| だって、そう聞こえたんだもん。 | |
| 駆け込み乗車はおやめくださいって言ったんじゃないんですか? | |
| あっ、そうか! | |
| ずいぶんな聞き間違いですね。炊き込みご飯のことばかり考えてるからですよ。 | |
| がはは、ところで、炊き込みご飯って野菜や肉がごはんの中に遍在してるよな。こういうのをユビキタス環境という。 | |
| また、どこかで聞きかじったような知識を・・・・。確かに遍在しているのがユビキタスですが、炊き込みご飯にたとえるのはいかがなものかと。 | |
| もう少し、スケールの大きな話をしましょうよ。 | |
| へ? 地球規模? 宇宙規模? | |
| まあ、スケールはともかくとして、あちこちでコンピュータが使えたり、ネットが使えたりするのがユビキタス環境ですね。もともとは、ラテン語のubiqueで神はあらゆるところにあらせられるというのから来てます。 | |
| そーか、そーか。じゃあ、あちこちの飲み会に出没するオレもユビキタスだな。 | |
| それは、課長自身が動いているわけだから、ユビキタスというよりモバイルに近いんじゃないですかね。 | |
| はあ? | |
| 例えば、今、ほとんどどこでも携帯電話が使えますが、これは基地局があちこちににあって、つまり遍在していて、電波をつかまえているからですよね。一方、携帯電話機そのものはモバイルです。 | |
| そうか。あちこちにある飲み屋がユビキタスで、うろうろしているオレは、モバイルちゅうこっちゃナ。 ところで、なんで急にユビキタスがはやりだしたん? |
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| ユビキタスコンピューティングという言葉自体は15年前くらいからあったんですよ。もともとは米国Xerox社のパロアルト研究所のマーク・ワイザー氏が提唱した概念です。 最近注目を浴びているのは、やっぱり、携帯電話や無線LANの普及でどこでもネットにつながるとか、ICチップの発達で何にでもコンピュータがくっつくとか急速にユビキタス環境が現実になってきたからでしょうね。 もっとも、これはITの世界の話で、認知工学の世界などではもっと前からユビキタスという言葉がありました。例えば、人間が空間認知をするときに周りに見えるいろいろなものを見て認知するわけですが、その一つ一つのものがユビキタスというわけです。 |
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| グゥー・・・・・ | |
| あ、寝ちまったよ。ちょっと話が長くなるとすぐこれだもんね。 これじゃあ、ユビキタスじゃなくて、イビキ出すだな。これ、起きなさい。 |
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| し、失礼。 ところで、ユビキタス、ユビキタスって騒いでるのは日本だけって聞いたことあるけど。 | |
| 日本だけというより、日本が進んでいると考えるべきなんじゃないですかね。確かに、アメリカなどではUbiquitoisと同じくらいPervasiveという言葉が使われているようですね。 | |
| Pervasiveなんて聞いたことないな。 | |
| そうでしょうね。それぞれ似た概念の言葉ではありますが微妙にニュアンスは違います。 | |
| 日本では、はやらない言葉だな。 | |
| 言い切ってますね。 何を根拠に? | |
| 言葉の響きが悪いんだよ。濁音、半濁音だらけで。 | |
| よく聞き違いをする課長からそういう音声的な分析が出てくるとは意外ですね。 | |
| そういえば、この話も課長の電車の中の聞き違いから始まったんですよね。 | |
| そうそう! こないだ電車の中でもう一つ変なアナウンスがあった。 | |
| 何ですか? | |
| 「橋本にご注意ください」って言うんだ。橋本さんが聞いたら気を悪くしそうじゃん。しかも、橋本って呼び捨てだぜ。 | |
| 「足元にご注意ください」でしょう。やれやれ、今年もしょーもない聞き違いでしめくくりですか。 | |
| 今年はだじゃれブームだったから、来年は聞き違いブームになるな。 | |
| ならん、ならん。 | |
つづく









